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そして増えたウイルスは、胆汁と一緒に便と共に排泄されるという経路をたどります。
しかし、日本のように衛生環境の整ったところでは、ほとんど感染することはありませんが、生ガキをはじめとした生の貝類を介して感染することがあるので注意が必要です。
ただし、A型肝炎ウイルスは熱に弱いので、火を通したものであればまず安全です。
最近、外国で、A型肝炎ウイルスに感染する人が少なくありません。
A型肝炎が流行している地域に旅行したときには、生水を飲んだり火を通さないものを食べたりすると、感染する危険があるので、このような所では食べ物や飲み物は、必ず火を通したものを取るように心がけることです。
また、食事の前やトイレのあとに手を洗うことは感染予防に効果があります。
また、A型肝炎が流行している地域を旅行するときには、あらかじめグロブリンをうっておけば、約二カ月くらいは予防効果があります。
次にB型肝炎とC型肝炎ですが、これらは血液を介して感染します。
B型肝炎ウイルスの感染経路のほとんどは、母子感染といい、B型肝炎ウイルスを持っている母親から生まれるときに感染するというものです。
しかし、いまでは赤ちゃんにワクチンを接種することによって予防ができるようになりました。
その他の感染経路の主なものは、輸血による感染がほぼなくなった現在、性行為による感染が大部分であると考えられます。
性行為による感染は、主として肝炎ウイルスを持っている人との性的接触で起こります。
従って予防のためにはコンドームなどを使用すべきでしよう。
C型肝炎は、血液の中にいるウイルスが血液を介して感染します。
感染経路は、輸血や血液製剤によるものが最も多かったのですが、現在ではほとんどありません。
性行為による感染も稀のようです。
ただ、はり治療の針やいれずみをする際の針からの感染、麻薬の回し打ちによる感染などもあります。
いずれにしてもこれらの感染経路を遮断することが、

 

 

 

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